国保税 子どもの均等割減額が終了 2025.04.28
相模原市は、令和7年度の国民健康保険税(国保税)の税率を据え置くことを発表しました。これは一見、市民にとって安心できるニュースです。しかしその一方で、市が独自に行ってきた「子どもの均等割減額」制度が終了することになりました。
■ 「子どもの均等割減額」とは?
通常、国保税では世帯の人数に応じて「均等割」という部分の税金がかかります。国は令和4年1月から、未就学児の均等割額を5割減額する制度を導入しましたが、相模原市ではそれに加えて、独自に減額対象を18歳以下まで拡大していました。これは、子育て世帯にとって大きな負担軽減となっていたのです。
相模原市は「子育て支援」を大きく掲げていますが、それであれば、この減額制度も子育て支援の一環として維持すべきです。制度を継続するには財源の課題があるとはいえ、市の財政は黒字です。子どもの均等割を半額減免するのにだいたい1億4千万円かかるということですが、どうにかならなかったのでしょうか。倍額で全額減免も可能ですから、当会としては昨年の国保課との交渉では全額減免を要望しておりました。
今回の市の対応に関して、子育て世代にとっては「言っていることと、やっていることが違う」と感じるかもしれません。
■ 医療アクセス権補償を
国保については、いままでの短期保険証や資格証明書(資格確認書とは異なります)といった取り扱いは無くなりましたが、『特別療養費』という制度が導入され、特別の事情がなく滞納をしていると判断されれば医療機関の窓口で10割支払う保険証の取り扱いとなってしまいます。行政が「特別な事情がなく…」と判断しても実際は貧困のケースが多く、保険税を滞納している方が一旦10割払うことは困難であり、更なる生活困窮につながる恐れもあります。国民皆保険制度の最後の砦ともいえる国保制度。その趣旨に添い、国民の医療へのアクセスを保障するとともに、社会保障である国保がかえって国民の生活を困窮させるという本末転倒なことはあってはなりません。
「国保は構造的な問題を抱えている…」と問題を先送りにするのではなく、国庫負担の増額、公的医療保険制度の抜本的な改革を求めていくと同時に、神奈川県や相模原市は「国の責任」と放棄するのでなく、県民、市民のいのちと暮らしを守る国保制度を実現するため努力を続けるべきです。
半年ぶりの更新となり申し訳ございません。この間も会には多数の相談が寄せられており、あらためて市内中小業者の置かれている状況の厳しさを痛感しております。お困りのことがありましたら相模原民商までお寄せください。
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